2005年エロゲ総括

私が2005年にプレイした新作18作品を、単純に私が楽しめた順に並べて本音でコメントしてみました。ちなみに唯一積んでいたToHeart2XRATEDを現在プレイ中ですが、上位に食い込みそうです。

第18位:カルタグラ (イノセントグレイ)

トゥルー&和菜ENDのみクリアで未コンプ。一部の女性キャラの扱いがヒドいことを除けば、決して悪くは無かったのですが、(私が勝手に)期待した展開にしてくれなかったためにこの位置に。私は発売前からトゥルーENDの最後の最後まで、和○=○良だと信じてたんですよ。いや願っていたというべきか。この結末にしてくれれば、今年の中でもかなりの作品になったかと思うと残念でなりません。ユーザーなんて勝手なもんですよね。

第17位:先輩がフィアンセ!? (ハートブリング)

瞳のみクリアで未コンプ。絵買いですので、後悔はありません。ええ、ありませんとも。メインヒロインである先輩の心情が理解できなかったのが痛いといえば痛いし、主人公も軽薄。ヒロイン達が私好みだったのと、エロが良かったのが救いかな。

第16位:School Festa (ロール)

3ヒロインのみクリアで未コンプ。カルタグラに続き、期待のし過ぎ第二弾。体験版で綾乃と美由紀が、後半に予想されるシリアス展開に耐えられるまともなキャラだったため、かなり期待したのですが、とってつけたような三角関係にガックリ。特に綾乃ルート。病弱な姉と同じ人を(しかも遅れて)好きになったにも関わらず罪悪感無しでは、姉妹という設定の意味が無い。背伸びせずに萌えゲー作ってればいいんじゃないかと思います。

第15位:らぶデス (ティータイム)

お姉さんキャラだけ残してクリア。滑らかな3Dポリゴンヒロインは一見の価値がありますが、やっぱりシナリオかなあ。どこが悪いというわけではないし、ギャグも笑えたんですけど、ストーリーはぜんぜん記憶に残ってません。ビジュアルインパクトが非常に強いゲームには、同様に衝撃的なシナリオを用意しないと駄目なのかもわかりませんね。今年一番のマツリを提供してくれた同日発売のあのゲームのように。    

第14位:着せかえフェティッシュ (EXA)

秋&蜜柑のみクリアで未コンプ。後半のシリアス展開をもうちょっとテコ入れすれば、学園恋愛ADVとして普通にオススメできるレベルのシナリオでした。絵もいいし。ただどうも私とこのメーカー(戯画系)は相性が悪いのか、攻略ヒロインが可愛らしいキャラばかりなためにこの順位。タイトルも意味不明ですし、何か売りになるものがあると良かったですね。

第13位:塵骸魔京 (ニトロプラス)

イグニスルートでやめてたら、近年まれに見る地雷と判定するとこでしたが、管理人さんルートまでやってようやく納得。これ、恋愛やエロを無理やりでもつけなきゃならないエロゲじゃなくて、別の媒体で出せばよかったのかも知れません。まず売れないでしょうけど。だいたい、異文化交流なんて単語を恥ずかしげも無く使っておきながら、友人さえ理解困難な主人公の言動を、物の怪の風子が当たり前のように理解したりしますしね。片腹痛いにもほどがあります。前後の作品もイマサンだったようですし、このメーカーはライター陣の建て直しが急務です。デモンベインで食っていられるうちに。

第12:おねだりミルキーパイ (せ・き・ら・ら)

雪印めぐみのみクリアで未コンプ。声優買い&日常会話ライター買いなので、後悔はありません。もう少し恋愛ストーリーがしっかりしてればコンプする気にもなったでしょうが、シナリオのほぼ8割がエロですからね。しかも共通ルートで全員食えちゃうし。CGの良さもあって、エロは相当なものでしたけど。

第11位:絶対地球防衛機メガラフター (ライアーソフト)

ニトロプラス同様、ライターの質が下り坂のメーカーの作品は、昔の良いときのシナリオを知っているだけに、やっていて寂しいものがあります。新興メーカーが出したのならともかく、ライアーが出した作品としては及第点ギリギリ。サブヒロインに救われたかっこうです。次作のボンフリもあまり売れなかったようですし、来年1月発売のサルバと〜れ!体験版も、あまりに痛々しいシナリオで完走できませんでした。カウントダウンが始まっているような気もしますが、これからもチェックはしていくつもりです。

第10位:夜刀姫斬鬼行 (テリオス)

設定はかなりの奥行きを感じさせるし、あらすじ自体も凝っていて先が気になる。バトルシーンを描かせたら少なくともエロゲ業界では敵無しの原画に、これまた最高に渋い男ボイス、ランクAのBGM。これだけのものを揃えながら、なんでこうなるっ!!、と叫びたくなるシナリオでした。この作品の正しい楽しみ方は、比較的マシなトウルートをクリアしたあとは、Ctrlキーを駆使して未読スキップしながら、自分のお気に入りのキャラが出てくるシーンだけ見ることです。それだと話が分からなくならないですか、という心配は無用。まじめに読んでも、登場人物は意味不明の言動を繰り返すだけですから。もったいない、実にもったいない。登場人物は替えなくていいので、ぜひ夜刀姫斬鬼行2としてフランス編(orワールド編)を。もちろん、設定を考えた人以外のライター陣は総とっかえで。

第9位:群青の空を越えて (ライト)

日常描写をリアルにすればするほど、根本的な設定の非現実さが顕著になるという、自己矛盾を抱えた作品。国際世論に配慮して、あえて内戦状態の日本を舞台にした、っというなら拍手ものですが。せめて、内戦に入ったことにより離れ離れになって戦わざるをえなくなった人達の悲喜劇、みたいなものをテーマの一つにしてくれればよかったんですけどね。そうじゃなきゃ内戦の意味がない。ライターが自分の中であたためてた政治・経済論を垂れ流したかっただけ、といわれても仕方ないです。と、ぶった斬りたくても切れないぐらい、場面場面のシナリオはいいんですけどね。加奈子ルート終盤とか熱すぎ。複雑です。

第8位:でふこん☆わん (あんでる)

圭、かがりのみクリアで未コンプ。この手のワイワイガヤガヤ学園物は非常に好みで、実際シナリオも質・量ともに平均以上だと思うのですが、なぜか物足りないのは、私がアリスソフトのゲームをしばしばプレイするためだと思います。こういう徹頭徹尾お気楽なノリのシナリオというのは、アリスがRPGのお共につけるシナリオに雰囲気が似てるんですよね。だから、あれ?ゲームパート無いの?と感じてしまうのです。着せかえフェティッシュもそうでしたけど、何か一つウリになるものが欲しかったですね。

第7位:家庭教師のおねえさん (アトリエかぐや)

渚のみクリアで未コンプ。声優買い第2弾でかつ絵買い。この原画家のお姉さんキャラは非常にそそります。今回はボイスも含め、オバサンキャラを除く3ヒロインは最高でした。抜きゲらしく恋愛ストーリーは適当だし、共通ルートで全てのキャラがそれなりに出てきて楽しめるので、一人クリアすれば私には十分です。

第6位:画師 〜隠された思い〜 (トラスト)

最後にわざわざ残した京で片足を吹き飛ばされたため、後味は悪くなりましたが、前2人の貯金でこの順位。コンスタンスのラストのような馬鹿馬鹿しい展開は、大手メーカーじゃまず採用できません。マイナーメーカーならではですね。しかし一番好きなところは、このまま実写化できそうなぐらい落ち着いたヒロインと、おとなの主人公。こういう雰囲気のエロゲはほとんど無いので、響シナリオを通しで2回プレイするほど楽しめました(私はシーンリプレイはしますが、通しのリプレイはほとんどしない)。京極夏彦の妖怪シリーズの魅力の半分は、美しき女性ゲストキャラでできている(大抵死にますが)と思ってる人なら、体験版でピンとくるかもしれませんよ。

第5位:黎明のラヴェンデュラ (ノア)

期待のし過ぎ第3弾。体験版の主人公&ラブコメがモロにツボ、しかもSF設定もバッチリで、今年一番期待した作品だっただけに、中〜終盤のグダグダさに心底がっかり。ラストバトルで熱くなれたので持ち直しはしましたが、シナリオライターが監督も兼ねてる作品は期待するもんじゃないな、と思いました。暴走するか忙しくて手抜きになる可能性が高そう。それでもはじめと終わりは楽しめたので、中間に目をつぶってこの順位です。

第4位:Fate/hollow ataraxia (タイプムーン)

凛ですね。staynightでは最終話シリアス部で別人と化したため、イマイチ萌え切れませんでしたが、今回の日常パートでは私好みのツンデレキャラとして確立され大活躍(H話を除く)。買わない予定だったこのFDを買ったのも、発売直前に2ch各所に書き込まれたウソバレ「カレンは凛の娘」を見たからですし。彼女(とルヴィア)以外の日常シーンは後半はほとんどスキップしてました。メインストーリーは、ランサーのラストバトルが良かったです。
 しかしながら相変わらず、子供しか出てこない。新キャラもことごとく子供。もっともバランス感覚に優れた大人のキャラが、高校生ヒロインの凛ですからね。世界設定や戦闘シーンが良いのはわかりますが、大人のキャラを出す努力もしないと、いつまでたっても薄っぺらいストーリーのシナリオしか書けません。エロゲの主要購買層の回転の速さを考えれば、このままでもいいとは思いますけど、個人的にはもう一段上のレベルを目指して欲しいです。

第3位:ぱすてるチャイムContinueC++ (アリスソフト)

サブキャラ商法と揶揄されそうなファンディスク発売までの顛末ではありましたが、私的には2本分の代金でもお釣りがくるほど楽しませてもらいました。本編で、サブキャラに入れなくてもいい気合を入れすぎたのが騒ぎの元ですが、結果としてユーザーの満足度は高くなったんじゃないでしょうか。特にC++の沙耶のSSは、本年プレイしたエロゲの中でも屈指の恋愛ストーリーで大満足。これも中の人の演技のタマモノですね!(信者的発言)
 ただし、やはりアリスソフトの魅力はゲームパートあってこそと思うので、4年も前のゲームから進歩どころか退化させたRPG部の開発担当は、頭を丸めて一から出直してください。

第2位:ぎゃくたま2 (ディスカバリー)

無人島にエロゲを3本持ってっていいと言われれば、家族計画ぎゃくたまとあとなんだ? っというぐらい前作がお気に入りの私の期待を裏切るストーリーの弱さも、私好みのツンデレヒロインを大量に出してくれたので結果オーライ。特に幼なじみの一姫は、初Hまでの一連のシーンを擦り切れるほどリプレイしました。行間を読みあうというか、裏を取り合う緊張感たっぷりの日常会話は、非常に楽しかったです。弱いと書いたストーリーのほうも、鈴華の予行演習前後の展開は非常に良かったですし、かなめの後半は、後だしジャンケンのようなものですが唸らされました。3を出すにはもはやネタ切れですし、小雪の朱のような地雷も出すライターなので次作がどうなるかは微妙ですが、出るならとりあえず絶対に買います。話はそれからということで。
 なお、本作のエンディングテーマ「あの日あの頃」は、今年の最優秀ボーカル賞。奇しくも昨年と同じメーカー、同じ歌い手の受賞です。タイトルどおり、夏の夕暮れ時に聴くと激しくノスタルジーに浸れる曲ですので(今は真冬ですけど)、ミラーサイトこちら(別バージョン)でDLして聴いてみてください。

第1位:スクールデイズ (オーバーフロー)

猟奇ENDと同じぐらいHAPPYENDにも力を入れてくれてさえいれば、傑作になったであろう惜しい作品。フルアニメだけではらぶデスのように一過性の話題提供にしかならなかったでしょうし、猟奇シナリオを普通のADVでやっても、単なる電波ゲーとして一部特殊嗜好のユーザーの目にとまるだけ。この二つのミックスを企画した人のセンス(というか度胸)には脱帽です。エロゲのサントラを速攻で買ったのはこのゲームが初めてですし、来年発売のFDももちろん買います(言葉教徒の私としては不満なシチュですが)。個人的に良かったと思うのは、世界と言葉のそれぞれの家族をキッチリ(フルボイスで)描写したこと。例えば言葉家で、母親や妹に冷やかされながら楽しそうにお弁当を作る言葉の描写があると無いでは、その後の修羅場での感情移入度が段違い。こういう細かいところも含めて、間違いなくエロゲ史に残る作品だったと思います。

 

 

昨年まで1〜3位を独占していたD.O.とLiarSoftが凋落し、どうなることかと思いましたが、今年もなかなかどうして。スクールデイズを筆頭に、私にとっての新規メーカーへの突撃が功を奏しました。というか、今年は地雷らしい地雷を踏まなかったのが大きいです。多くのメーカーがWeb体験版を出してくれるようになり、特に主人公を重要視する私は、序盤だけのちょっとした体験版でも振るいをかけられますからね。ただ後半尻上がりに良くなるゲームもあるわけで、それらを外してしまっている可能性があるのが微妙なところ。「あやかしびと」はともかく「つよきす」などは、思い切って買ってみればよかったかも知れません。あの頃はスパロボばっかやってましたから。

2006年も期待作目白押しで、購入意欲は衰えることはなさそうです。1月は、OPデモのパトカーの滞空時間が素晴らしいAVキングがほぼ確定で、IMITATION LOVERRE:を検討中。2月はエーテルの砂時計PRINCESS WALTZ。以降はロストチャイルドこの青空に約束を姫さま凛々しく!委員長は承認せず!はるはろ!、などなど。ツンデレ率高いですね。半分以上は体験版で消えると思いますけど。

 

以下、ツンデレと声優について、自分の好みをダラダラと。

 

ツンデレ万歳

週刊少年漫画誌(の萌え系連載)で普通に見られるようになるなど、今年一気にブレイクした感のある「ツンデレ」。明確な定義はなく、色々なタイプのヒロインが内包されていますが、中でも私が好きなのは「素直になれない強気系」のヒロインです。ただし、例えばToHeart2 XratedのUMAのような子供っぽいタイプ、キャンキャン吠えるけど中身はカワイイという、スピッツみたいなツンデレはイマイチ。主人公と対等もしくは尻に敷くような、油断するとこっちが犯られる殺られるドーベルマンなツンデレが大好きです。今年プレイした中では、Fateの凛やぱすチャCのぼたん、ぎゃくたま2の4人などが該当。ツンデレブームに乗っかって、こういうヒロインもどんどん増えて欲しいですね。
  ついでに主人公もツンデレで。ツンデレヒロインには、ツンデレ主人公が良く似合います。家族計画とぎゃくたまが大のお気に入りなのは、設定上主人公が全ヒロインに対してツンデレ、というのも大きいと思います。

今年のツンデレ大賞は上記6人の中の一人、と言いたいところですが、ここは第3次スーパーロボット大戦αの女主人公の一人、セレーナ・レシタールに与えたい(エロゲじゃないし、恋愛すらしませんが)。別に目新しいストーリーでも何でもないのですが、とかく空気になりやすいスパロボの主人公で、ここまで丁寧なツンデレを見せてくれるとは思いませんでした。1周数十時間もかかるスパロボを、同じ主人公で2周したのは初めてです(2周目は44話まで)。前作でもっとも輝いていた主人公チーム(アイビス、スレイ、ツグミ)が成長して出ていたのもかなり効いたので、セレーナも次のスパロボαがもしあれば、新主人公を諭す役として再登場してくれると嬉しいですね。

ちなみに、これもエロゲじゃないですが、今もっとも注目しているツンデレ漫画は「げんしけん」。ディープなツンデレ属性持ちなら当然わかっていることと思いますが、「ああ、萩ちゃんね」という人はシロウトです。もちろん彼女も良いのですが、ここはもう「圧倒的に斑目」。私が男の素直になれない系キャラ(古くは速水真澄から海原雄山、ギロロまで)も好きというのは、要は好きな子に好きといえない度胸の無さに共感してるだけだと思うのですが、そういう意味ではリアルオタとして描かれる斑目は感情移入先としては最高。彼には最終回までにぜひ、「美鳥の日々」のスーパーツンデレ:綾瀬貴子(アニメ第7話は必見)ばりの失恋シーン(こちらは漫画版)を用意してあげてほしいものです。実ったら実ったで祭ですけど。

 

ボイスは大事です

家族計画が出た2001年当時は、「シナリオが良ければボイスは無くてもいい」なんて思ってた私ですが、今ではボイス無しのゲームはノータイムでツモ切り、というぐらい重要視するようになってしまいました。と、私がいうまでもなく、一部のシナリオに絶対の自信がある作品を除けば、ほぼ全てのエロゲがボイス付になってますけどね。ただ相変わらずパートボイスや、主要な男性キャラに声を当てないメーカーも多い。これは早急に改善すべきだと思います。高レベルのボイスが当たり前のようについてくる現在では、ボイスが無い場合のユーザーの脳内補完能力は、数年前より明らかに低下していますから。ボイス無しの体験版を出すなど、愚の骨頂もいいところ。夜刀姫斬鬼行のように、ヘボいシナリオをダイヤに変える男ボイスもあるのですから(←いいすぎ)、ボイスを軽視しているメーカーは熟考を。主にLiarSoftに言ってやりたいんですけどね。

私の好みの声優は、北都南→一色ヒカルときて、現在はかわしまりのがダントツ。この人が声を当てるキャラは、ほぼ例外なくかしこく感じるし、何よりやばいのは、声優自身のコメントボイスを聞いて本人に惚れてるところ。渚先生沙耶も実にいい。それは認める。しかし、俺はアンタ自身を攻略したいん(以下略)
 飽きる可能性も高いですけどね。実際、北都南と一色ヒカルは、出演作が多すぎて飽きちゃいましたし(最近は復活気味)。仮にそうなっても、次から次へと新しい声優のファンになっていきそうです。現在の次点は大波こなみ(星空☆ぷらねっとのドラマCDを延々と聴いているうちにやられた)で、この人とかわしまりのの出演作は、とりあえず全て購入検討してます。あと良く見かける声優では、金田まひるに西田こむぎ。あまり見ないけど出たら買いたいのは、君望の茜の人(=星ぷらのゆかりの人)と、家族計画の三十路の人と、こおろぎさとみ。ちなみに来年発売のこの青空に約束をは、上で相性が悪いと書いた戯画とはいえ、奈緒子のボイスのために回避不可です(こおろぎも出ますし)。盲目的な声優買いをするには、まだまだ修行が足りないですけどね。

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