D.O.の家族計画と言う作品の画像を掲載しています。このサイト以外での使用、転載を堅く禁止します。

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< 素直に感動できる大作:コメディも充実  シナリオに変更なし

 若干アウトロー的な性格で一人暮らしをしていた20歳の主人公「沢村 司」を中心に、様様な理由で擬似家族形態を必要とした7人の男女が集まり、共同生活を送る中で「家族の絆」を築いていきつつ、その内の一人の女性との恋愛も.......、というのがストーリーの概要です。コメディ色が非常に強いのですが、根底には時に目頭を熱くさせる深いシナリオが流れている、そんなゲームです。
  家族計画という独特なタイトルが付いていますが、基本的には他の純愛系エロゲと同じ構成です。つまり、ヒロインごとにシナリオが用意されていて、最終的にはヒロインの誰かと結ばれるというものです。ヒロイン達が普通は幼なじみや先輩・後輩だったりするところが、本作では擬似家族で姉・妹・母親を務める女性達である、というだけです。安心して?プレイしてみてください。

 同じくD.O.の「加奈〜いもうと〜」、「星空☆ぷらねっと」で私のハートを捕らえて離さないシナリオライター、山田一氏が今回もやってくれました。序盤から中盤までは、昭和40年代生まれじゃないと分からないようなものも含む強烈なギャグを織り交ぜながら、ゆっくりと丁寧に日々の出来事を綴っていき、プレーヤーの感情移入を促します。スキップなしで7時間ぐらいかかったこの部分、私は長いと思うどころか楽しくてしょうがなく、このまま終わんないでずっと続いてくれないかな、っと感じていました。特に、破壊力抜群のお笑いシーンがコンスタントに出てくるのがたまりません。真夜中にヘッドフォンでプレイしていながら、ついつい声を出して吹き出してしまうシーンが目白押しです。隣の部屋の人は無気味に思っただろうなあ。正直、いくらなんでも登場キャラ全員お笑いのセンスがあり過ぎだろ、と違和感を覚えたぐらいです。さらにこの笑いのセンスを、ちょっと泣かせるシーンにも加えてくるんですが、これがスイカを食べるときの塩のような役割を果たすのか、非常にいい。家族計画発動前夜のシーンや、「赤飯事件」のシーンなどでは本当に効果的に使われています。
  そして各ヒロイン、いや父親役や主人公も含む主な出演キャラ全員が何らかの理由で失っていた「家族の絆」を獲得する終盤〜ラストにかけての展開は、心を動かされずにはいられません。号泣はしませんでした、基本はハートウォームですから。しかし、涙をこぼさないために上を向かざるをえないような、ジワッとくるシーンがいくつもあります。そしてヒロインとの恋愛も、絆の獲得を共有しながら進んでいき、いつの間にかどのヒロインにも惚れてしまうこと請け合いです。もともとの家族とは上手くいかなかったキャラばかりで、泣かせる設定には事欠かないわけですが、それを嫌味に感じさせない展開で素直に感動させてもらいました。特に青葉のシナリオ、これは私のように「高飛車、毒舌、年上」というキーワードにひっかからない人にも、是非プレイして欲しいです。準のエピローグも抜群。春花や末莉ももちろんGoodです。

 また、男性キャラのブレイク度は史上最強かと。父親役「高屋敷 寛」のキャラ設定にはやりすぎとの声も聞こえてきそうですが、私にとっては主人公のバイト先店長代理とともになくてはならないキャラでした。お笑いパートの主役を張りつつ、シナリオが進むにしたがって....っというところが最高にいいですね。仮にこの2人がいなければ、ゲームの魅力が2〜3割減っていたかもしれません。
  そして忘れてはならないのが主人公。山田氏のゲームはみんなそうなのですが、主人公がしっかりしていてかっこよく、私は激しく感情移入できてしまいます。「星空☆ぷらねっと」もそうでしたが、ゲーム全体の主役はまぎれもなくこの「主人公」です。

 不満点もあります。一番大きいのは、エンディング(エピローグ含む)におけるメインヒロインの扱いと、ヒロイン以外のキャラの扱いのバランス。あちらを立てればこちらが立たず、と感じることが多かったです。実は私は母親役「真純」のエンディングは見てません。血の繋がりがないとはいえ、魅力的な父親役「高屋敷 寛」がいるのに母親役を攻略することは、家族計画を根本から瓦解させるような気がしてしょうがないからです。そこまであの7人による擬似家族全体が好きになった私にとっては、ちょっと物足りないエンディングもありました。

  その他いくつかの不満もあるにはあるのですが、そんなものは怒涛のボリュームを誇る良質な展開の群れにことごとく粉砕される、そんなシナリオです。通常のゲームの倍はあろうかという長さながら、プレーヤーをぐいぐいと引き込んでいくこのシナリオ、山田一氏担当のゲームをまだやったことがない人には特にお勧めしたいです。

  ああそれと、山田氏本人が何と言おうと、彼がエロゲーマー総ロリコン化計画を発動していることは疑いようがありません。「加奈 〜いもうと〜」然り、「星空☆ぷらねっと」の佳多奈然り。そしてこのゲームでの末莉の描写が計画の最終段階でしょうか。日本中のエロゲーマーを幼女趣味に走らせて、山田氏はいったい何を企んでいるのだろうか。

 「絆箱」では、シナリオの追加・変更は無く、誤字脱字の修正等だけのようです。ちょっとしたおまけシナリオのようなものを付けてくれると嬉しかったですけどね。

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高屋敷家 相関図
主人公の苦難が想像できる、かな



高屋敷 青葉(長女)

 超高飛車な22才。苛烈な言動でマゾプレイヤーを虜にする。しかし、時にこんな表情もするからたまらない。



高屋敷 準(次女)

 主人公の同級生で、素直じゃない度No.1。さらに不器用な性格で、不可解な行動も多いが....。



高屋敷 春花(三女)

 中国から母親探しのため不法就労しにきた、家族計画の火付け役。天真爛漫な高屋敷一家のムードメーカー。



高屋敷 末莉(四女)

 段ボールハウスで生活していた流浪の少女。「俺はロリコンじゃない!」との叫びも、彼女の前では風前の灯火となる。



高屋敷 真純(母親)

 さびしんぼうの30才独身。周囲に流されやすく、結婚詐欺にあったりする。基本はお気楽な性格だが、適齢期を過ぎた年齢は異常に気にする。

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< ちょっと足りないんじゃないのCGが  追加立ち絵はちょっと‥‥ >

 私が発売日買いを避けた理由の一つがCG。時に大根のさきっちょのように見えるアゴがどうも.....。あと全体的に明るいというか色が薄く見えて、中身の軽いゲームに思えてしまったんです。もちろんゲーム終了後は、もうこの絵しかない、っという感じです。末莉には劇中の設定に準じた、ハッとするほど綺麗なCGも用意されていますし、青葉のかわいい立ち絵CGなんかもお気に入りです。表情の描き分けがきちんとできていて、全体的に好感が持てました。

 ただ、枚数ははっきりいって物足りないです。4ヶ月連続リリースの3作目と知ったときの、本当にちゃんと作ってんのかよという懸念がここで少し現実に。まずは脇役の立ち絵が少ないこと。シーンによっては立ち絵がないことが演出の一つになるのでしょうが、それでも「あって当然」だと思うキャラはいます。イベントCGもヒロインによっては少ないし、個人的には家族全員が描かれたCGももっと欲しかったです。仕上げが甘いというか、時間かけてないなと思わせるCGもあり。

 原画担当は福永ユミさんです。

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 ちょっと独特なアゴの形が気になって.....。

 

 
 「絆箱」では、イベントCGの追加は無く、旧作では削られていた一部脇役キャラの立ち絵のみ追加されています。しかしこれが、既存ユーザーの期待をハッキリと裏切るデキでガッカリ。
 まあ、謎の中国人を含む男性キャラ達は悪人ばかりですし、脇も脇なのでどうでもいいんです。問題は景、小夜、楓、由利といった女性陣。旧作との絵柄の差異が激しく、私の許容範囲を軽く飛び越えています。もう違和感バリバリ。仮に単体で見たとしても、景などは口の位置がおかしかったりちょっと中年太りしていたりと散々の出来。唯一評価できるのは、牛丼屋のユニフォームが割とキチンと描けていたぐらいでしょうか。

 「追加立ち絵表示のON、OFF機能をつけて欲しい」、という意見に図らずも同意してしまいたくなるほど不満の残る仕上がりでした。

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< エンディングのテーマ曲は最高です  ボイスは感動シーンも良好

 発売日買いを控えた第二の理由が、BGM担当が「I've」ということ。私はアンチ巨人なんです。Sense offやkanonでは相当やられたくせに、人気が高いと知るや、調子に乗りすぎなんじゃないの?などと思ってしまうわけです。我ながらなんとアホなことを.....。

  まずはオープニングですが、まああれだけ長く楽しいプロローグ(3時間ぐらいかかった)の後に聴けば、どんな駄作でも名曲になりますよ(←負け惜しみ)。ムービーと併せて相当にいい曲になってます。そのインストルメンタル版の「貝殻」「君を想う時」ももちろん。その他劇中で使われている曲は、ゲームの雰囲気に合ったほのぼの系の曲が多いです。深刻な場面でかかる「孤独の果て」や、Hシーン時の「境界線」あたりが印象に残っています。
 で、エンディングテーマ「philosophy」とそのインスト版「refrain」ですが.........。いやもうホントに、このゲームにこの曲を与えてくれたことを神に、いやD.O.に、いやI'veにか、とにかく感謝せずにおれないほど素晴らしいですね。「refrain」なんかは2回目以降のプレイでは、かかった瞬間からオートマチックにジーンときてしまうほどです。私はこれらの曲がすぐにでも外出先で聴きたくなって、購入済みの携帯mp3プレーヤの修理上がりを待てずに、1万円のプレーヤを新しく買ってしまったぐらい良かったです(クリエイティブメディアのDigital MP3 Player)。また「philosophy」なんて歌詞もいいんですよね。特に青葉のストーリーによくマッチしたりして。
 「I've」さん、これからも是非ともがんばってください。

 ちなみにボイスは無しです。ただ私は、テンポのよいセリフの掛け合いが魅力的なこのゲームには、無理に音声は付けなくてもよいかと思っています。

 「絆箱」での追加のメインとなるのが、脇役も含めたフルボイス化。これは自信を持ってお勧めできるクオリティだったと思います。

 父親役:寛の演技が過剰である、末莉の声がちょっと作りすぎ、などといった不満は些細な事です。実力派声優陣は日常シーンからクライマックスまで無難以上にこなし、物語に潤いを与えてくれます。この辺は旧作で文章だけを読んだときにどれだけ想像力を働かせたかで個人差が出ると思うのですが、私の場合はほどよく感情のこもったボイスにより、シナリオの魅力が数段上がったと感じました。特に準などはかなり平板なしゃべり方を想像していただけに、とても新鮮な気分でリプレイを楽しめましたね。
 ただ旧作プレイ済みの人にとっては、「このセリフにその演技は違うだろ」と感じる部分も当然あるわけで、これをどれだけ許容できるかが運命の分かれ目になりそうです。しかし少なくとも、私のようにボイスを真面目に聴いて初回25時間もかけてプレイしていれば、そうそう不満に思う場面は出てこないでしょう。すっかり慣れますから。
 ちなみに寛を含む高屋敷一家の面々については、個別のボイスOFFが可能です。

 参考までに、メーカーHPのサンプルボイスを聴いた段階の私の感想は以下のとおりです。

 青葉:もっと低い声だと思ったが、良い。
 店長代理:ちょっと軽すぎる気もするが、良い。ウェルカムは問題なし。
 真純:イメージとはかけ離れていたが、一番の注目株。
 楓:もうサッパリ。もっと知的でクールだと。
 準&景:準は感情込めすぎ? 景はもうちょっとハジけててもいいなあ。
 小夜&由利:どちらも問題なし。あまり思い入れも無いし。
 春花:俺の知ってる春花は、こんなロリボイスじゃない。
 末莉:サンプル1、2もアレだが、3の「すぅ〜」は許せん。
 寛:全然イメージと合わないが、OVA「Gロボ」好きの俺には最高。

 で、プレイ後は「全員良い」となりました。強いて挙げれば真純と青葉が特に良かったかな。

 その他BGMはCD-DAでなくなった以外に変更はありません。リピート時の無音時間が長すぎるという欠点は解消されています。

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< 基本は充実も不満の残るシステム  システムの変更もなし >

 なかなかの速さの既読・未読メッセージスキップ、ホイールで手軽な読み返し、セーブは27箇所でシーン説明のコメントも残る、と基本の充実したシステムです。選択肢で止まった後もメッセージスキップを継続させられる、なんていうかゆいところに手が届く機能もあります。動作も問題なく、軽快にゲームを進められました。

 しかし相変わらずで、ゲーム開始直後いきなりゲンナリさせてくれたのがフォントの格好悪さです。テキストメインのゲームなんだから、いい加減先行他社並みに滑らかなフォントを使ってほしい。悪い意味で老舗らしく、改善の意欲が見られません。まあ慣れてしまえば全く苦にならないんですけどね。その代わりといっては何ですが、声の大小をフォントの大小で表す演出は良かったです。しかしフォントに関してはもう一つ、あのエンディング直前のフォント。少なくとも青葉シナリオであのフォントは無いだろう!ガキの手紙じゃあるまいし。

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 通常シーンの寛&春花。
 彼女のせいで名変不可?

 さらに、主人公の名前が変更できないのも私的に×。今回CGの方は主人公の顔がはっきりしないようになっているし、ストーリー上「沢村 司」という名が重要な役割を果たしているわけではないのに、何で名前が変えられないのでしょうか。呼び捨てにされたいんですよ自分の名前を、青葉に。いや他のキャラにもね。
 あと音楽では、曲の終わりの無録音部分が長すぎるため、リピート時に無音になる時間が長くなるのもマイナス。
 また細かいことですが、オートクリック機能はテキストの長短にかかわらず表示終了後設定した時間でクリックされるようにしてほしい。せっかくの便利な機能なのに、使いにくくて仕方がありません。

 「絆箱」では、ボイス関連機能以外のシステムの変更は無いようです。フォントの改良などを期待していただけに残念。あとH以外のイベント回想も付けて欲しかったなあ。

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< 家族の絆系ゲームの決定版:仕上げはイマイチ  フルボイスでさらに強力に >

 いくつかの理由から発売日買いしなかったことを、とても後悔させてくれたゲームです。一人暮らし歴が長いことも手伝ってか、私には非常に響く作品で、激しくのめり込みました。ゲーム終了後の「ああ、終わってしまったか....」という虚脱感はかなりのもので、しばらくはサルのようにお気に入りシーンの繰り返しプレイをやっていました。
 かの有名なKEYの「Air」はやっていないので断言はできませんが、「家族の絆」というものをメインに据えた18禁ゲームとしてはこれ以上のものは出ないんじゃないか、と思わせる作品だと思います。とにかくプレイしてみて欲しい逸品です。

(ヒロインの攻略順ですが、真純シナリオには青葉シナリオのネタバレが若干含まれているという話がありますので、青葉は真純の前にクリアしたほうが良いかもしれません。わたしは真純をやっていないのでわかりませんが。)

 ただ、メーカーには文句を言いたいですね。このゲームは4ヶ月連続リリースの3作目でチャチャっと適当に仕上げてしまうようなゲームじゃない、と思うのですが。確かに、10周年記念として同じシナリオライターを起用して相当力を入れて作った「星空☆ぷらねっと」が期待したほどヒットせず(私には大ヒット)、次作の「プラスチック・ハネムーン」も鳴かず飛ばず。どうすればヒットするゲームが作れるのか判断つかない中、数打ちゃ当たる作戦に出るのも悪くないし、老舗だからこそできることだとも思います。どれかがヒットすれば、相乗効果でその他の売上も伸びるでしょうし。しかしそのような姿勢を続けていては、エロゲ史上に残る傑作(とその後の売上増)というのは残せないと思います。せっかく山田氏という強力な武器を手に入れたのですから、次回作では是非勝負をかけてほしいところです。
 というわけで、多くの人が不満に思うであろう個所を改善し、さらなる高みを目指したDVD版の発売を強く希望。ちなみに発売するなら、今度こそCD-ROM版でユーザー登録したプレイヤーには割安に提供する特典をつけてほしい。熱心なファンからさらにお金をむしり取ろうとするメーカー本位の販売はやめてください。「星空☆ぷらねっと」なんて、非告知でベータ版のCD版を買わせておいて、わずか2ヵ月後に正規版のDVD版を発売してくれたからなあ(←あくまで私の抱いたイメージですが。出来損ないのCD版は中古屋かオークションで売っちゃって、DVD版を買いなおして下さい、とメーカー自ら勧めているようなもんだ)。本当に大幅なグレードアップ(音声付とか、CG枚数30%アップとか)をしてくれるなら別ですが。もちろん、素人の私が老舗の販売戦略にどうこういえるわけもないのですが、もうちょっとこう、ユーザーの好感度・信頼度アップが売上増に及ぼす効果というものを大きめに、できれば過剰に見積もってもらえると、私のようにひねくれたユーザーにとっては嬉しいんですけどね。

 まさか出るとは思わなかったフルボイス版「家族計画 〜絆箱〜」、DVD版で約2.6GBのHDを消費するフルボイスは、私的にはかなり満足のいくものでした。特典つけて価格を吊り上げるのはどうかと思いましたが(箱もでかいし)、演技力の高い声優を集めてキッチリと感動を増幅させてくれたので結果オーライ。買ってよかったです。
 ただ追加立ち絵のいい加減さ等仕上げは相変わらずで、手放しでは喜べません。あのCGはメーカーの先行きが心配になるほどの、明らかなヤッツケ仕事ですから。でも今回は高品質のフルボイスを付けてくれただけで良しとし、細かいことには目をつむりたいと思います。

 というわけで、旧作未プレイの人にはフルボイス版「絆箱」がオススメ。ただしボイスを全て聴いてると初回は20時間以上かかるので、適度にすっ飛ばすのもよいでしょう。あるいは最初はボイスOFFでプレイし(それでも充分面白い)、後からボイスONにして一粒で二度おいしい、なんてのもよいかもしれません。
 一方プレイ済みの方は、追加立ち絵がアウトなだけにフルボイスに魅力を感じるかどうかですね。メーカーHPのサンプルボイスも参考にはなりますが、私のようにサンプルで駄目だと思ったキャラも実際には良かったりするので、思い切って突撃してみるのも一興ですよ。よほど声優が合わないというのでなければ、あの時の感動がよりパワーアップして甦ってくると思います。高いですけどね。

 ちなみに豪華 7 大特典は、ゲスト絵描きさんによるキャラクターブックは良かったです。他のグッズの処遇は思案中。マグカップはもうちょっとでも高級感があれば使ってもいいんですが‥‥。

 

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< 高屋敷 青葉 >

 心のおもむくままに選択肢を選んでいったら彼女のエンドに。キャラ的に私の好みを直撃したせいもありますが、何といっても彼女が祖父の真意を知るあのシーンが最高に印象に残っています。シビれる文章とともに綴られるあの場面は、出来過ぎとかやりすぎな気がしないでもないですが、エロゲ史上に残る名場面だと思います。さらにその後の風呂場の「あによ」発言から「...のものになる」までの男を熱くさせる展開、そしてエピローグ最後の最後のあの決めゼリフと、秀作揃いのこのゲームのシナリオの中でも一番のお気に入りです。また寛ファンの私としては、こうなってほしいという私の希望が結実したあの脱出シーンもたまらなく魅力的。笑いと涙が交錯したこのゲームの神髄を見た思いです。
  不満点を一つだけ。それはエピローグでド田舎に引っ込んでしまったことです。青葉はみんな戻ってくると言っているけど、出口の見えない不況下を生きるサラリーマンの私には、えらく非現実的に感じます。みんな戻ってきても職がないですよ。準に農業なんて似合いませんし。個性的な人物が集う高屋敷家は、都会に居を構えるのが理想的だと思います。
  ところでこのシナリオをプレイして、今まで忌み嫌っていたカラスに親近感を覚えたのは私だけではないですよね。

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 「あのさ.....」

「あによ」

 

末莉へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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< 高屋敷 末莉 >

 けなげなキャラです。しかし強い。自分の不幸な境遇にめげず、逃避もせず立派な処世術を身につけて日々を送る彼女は、年齢を考慮すれば全ヒロイン中もっともしっかりとしたキャラであったと思います。主人公と結ばれないシナリオでも、彼女なら大丈夫という気がします(青葉なんかは心配で心配で)。そしてそんな彼女が、胸に秘めた悲しい記憶や心情を吐露するシーンはグッときます。人に抱きしめられるぬくもりを「知らなかった」というセリフを聞いた瞬間などは、主人公の行動=強く抱きしめる=につられてマウスを握りつぶしそうになりました。そしてHシーンの描写は、一番充実していましたね。特に「幼くてお肌がスベスベ」であることを表現した文章は、私には非常に危険でした。末莉でそうなら小夜ちゃんではどうなんだ?などというアブナイ発想が......。
 このシナリオも最後に不満点が一つ。一般的な家族では、末っ子が中学生になった時期から10年もたてば兄弟の何人かは独立しているのが普通だと思います。いったん別れて10年後に集うといわれても、他の連中に連れ合いの一人もいないというのはちょっと、ね。何をやっていたんだと心配になってしまいます。あと最後のCGの末莉に、幼さが残るところもチョット残念。個人的に、青葉をさらにキレイにしたような雰囲気を期待していたものですから。

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 夜這い

 

春花へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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< 高屋敷 春花 >

 一番スッキリとした私好みのラストでした。高屋敷家が比較的すみやかに再集結し、主人公と春花の愛の行方もきちんと描いてくれましたから。天真爛漫で、母親に会えない悲しみを背負いながらも気丈に振る舞う彼女も良いのですが、エピローグで知り合いのおじいさんに軽く八つ当たりする場面を見てさらに好きになりました。ああいう我が侭な面もあることがわかると、より彼女を身近に感じられます。仮に主人公とのその後の話がさらに続けば、もっと違う春花が見られそうですね。
 このシナリオでは劉兄妹がなかなかの活躍を見せてくれるところも良いですね。だからこそ楓の立ち絵CGがほしかったなあ。

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 こんな縁日なら、毎晩でも行きたい

準へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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< 高屋敷 準 >

  エピローグがもう最高です。イマイチよく分からなかった彼女の行動原理が明らかにされ、そして正に大団円と呼んで差し支えない終焉へ。春花の「私の姐姐」というセリフ、あれは高屋敷家の絆の強さを表す最高のセリフだったと思います。そして、高屋敷家が速やかに復活するところがこのエンドのいいところ。がしかし、準の主人公に対する熱い想いを知ってしまったこちらとしては、もう少し話をのばして主人公との愛を確かめ合うシーンも欲しかった。これを加えてくれれば、他のシナリオと比べても頭一つ抜けた終わり方になったと思います。景も攻略対象じゃないのが残念なくらい魅力的だし、末莉に飽き足らない人には小夜ちゃんという反則的にカワイイ子も出てくるし。
 ただやはり、習慣性は無いとはいえ薬物の売買に手を染めたのはいただけません。依存症になって犯罪に走る常習者だって、当初は習慣性のないヤクから始めるのではないでしょうか。彼女の行為は現在施設に入っている子供達のためであると同時に、間接的に将来施設に入る子供を増やしてしまう可能性があるわけです。しかしそこまでせっぱ詰まっていたと考えれば、準シナリオのラストがさらに盛り上がりますね。

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 この行動の理由もエピローグで明らかに

 

真純へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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< 高屋敷 真純 >

 一見弱く見えますが、実は年相応の経験(笑)からくる頼りがいのあるところが好きです。しかしゲーム中でも有数の名場面、「赤飯事件」では非常に魅力的なお母さん役を演じてくれたため、攻略対象から外れてしまいました。お父さん役「高屋敷 寛」も裏切れませんし。ただどんなシナリオなのかは気になって仕方がありません。ほとぼりが冷めたらいつかやろうと思います。
 彼女が30代であることを気にしていることから発生する一連のギャグには、本当に笑わせてもらいました。

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 「情が移れば、家族になれるのよ」

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