D.C.U(暫定版)

とりあえず、小恋・杏・音姫の3人をクリア。キャラ毎のシナリオの差が激しいですが、ヒロインに萌えさせる手腕はさすが。先行版(春風の〜)が楽しめた人なら恐らく多分大丈夫。

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発売日

プレイ時間

やってみて度

CIRCUS
-
2006年5月26日
3人で約14時間
A

シナリオ

  • 長い。共通パートもあるが専用シーンが頻繁に入る。ボリュームとしては申し分ない。
  • ライターが4人いるためか、ルート毎のクオリティの差が激しい。人形劇パート(小恋ver.)は切腹ものだが、スキー旅行パート(杏ver.)の楽しさは驚異的。
  • ストーリーは王道恋愛ものからファンタジーで若干捻ったものまであるが、収束のさせ方がイマサン。期待しないほうがいい。
  • どのヒロインルートでも他のヒロインがいい感じに絡んでくるし、かつ十分に長いため、次々に萌えて攻略したくなる。
  • 小恋ルートは、彼女が他人に気を使う健気で優しいキャラに統一されていないため、他のヒロインに太刀打ちできない(特に序盤がヒドイ)。ななかに萌えるためのルート。
  • 杏ルートは、序盤から彼女と主人公の関係を丁寧に進展させつつ、小恋救済シーンもわざわざ加えるなど細かい配慮が行き届いた良ルート。ラストでこけなきゃね。
  • 音姫ルートはファンタジックなストーリー重視のためか、唐突に恋人関係になるなど恋愛方面はなおざり。嫉妬とエロシーン冒頭で萌えたのでプラマイゼロか。終盤の超展開は、スンナリ感動できるよう再構成してほしい。
  • エロは上記3ヒロインは各1。尺はそれなりにあるが、それだけ。小恋のはギャグエロ。
  • 前作はやってないが、純愛系エロゲプレイヤーの端くれとして、音姫ルートのさくらは放っておけない。さくらHAPPYENDないの?
  • 杉並が思ったより活躍しないのは残念(その分板橋が頑張った)。杉並×まゆき先輩のツンデレFDが出たら、たぶん買う。
  • 「枯れない桜」じゃなくて「(花が)散らない桜」じゃないのか?

CG

  • 原画家が複数いるため、若干違和感あり。小恋等を描いてる人が上手すぎて浮いてるような気が。
  • イベントCGはシナリオが長い割に少なく、常に飢餓状態。質はそこそこ。
  • 立ち絵は表情差分が豊富で、喋っていないキャラの表情も変化させるなど、非常に丁寧。ただ泣き顔差分が崩れすぎで気持ち悪い。
  • どうでもいいことだが、朝倉姉妹は斜め45度からの瞳がメアリーそっくりで好印象(彼女は私の今年3本の指に入るヒロイン)。
  • 真冬に背中の開いた春物の服着て白い息吐きながら「寒いよ〜」。いいからお前らコート着ろ。

音楽/ボイス

  • BGMはそこそこ。ボーカル曲が8曲もあり、いずれも聴ける。TVアニメで歌ってる人もいて、得した気分。
  • 「Time will shine」が挿入歌でかかれば、よほどのヘボシナリオでもないかぎり感動できる。ただ、場面転換時はゆっくりとフェードアウトさせてほしい。
  • 主人公以外ほぼフルボイス。特に問題なし。名無しのキャラを含めた完全なフルボイスだとなお良かった。
  • 杏の終盤の語りは言葉に聴こえて困った。

システム

  • 安定しているがウェイトが長く軽快さに欠ける。
  • スキップのシステムがよくわからず使いづらい。せめて説明書でキチンと解説を。
  • どうでもいい共通パートまで登録されるシーン回想は素晴らしい。

さすがにこれであと4年は戦おうとしてるだけのことはある

小恋シナリオ終了時はやっちまった感に打ちひしがれましたが、プレイしているうちに多くのヒロインに萌えてくるから不思議。朝倉姉妹なんて先行版ではウザいだけだったんですが、他ヒロイン攻略時も頻繁に出てきてヤキモチやいたり親身に心配してくれたりするので、いつのまにか転んでる。脇役も含め、複数のヒロイン達をキチっと絡めた日常シーンを大量に投入して萌えさせる手腕は、さすがにこれからFD等でガンガン稼ごうという作品だけのことはあります。攻略してみてショボいストーリーにガックリ、となる可能性も大ですが、攻略する気になった時点で負けというか(いや勝ちか)。たぶん、全ヒロインをクリアする今年初めてのエロゲになると思います。それに実はこのゲーム、「友情ゲー」でもあるんですよね。私はこういうのには弱いです。

4年前の前作発売から現在までの実績を考慮すれば、本作も今後数年間さまざまなバージョンが出ることが予想されます。攻略不可の魅力的なキャラが数人いるし、二次元エンドもかくやという急転直下ハッピーエンドは、ファンディスクで補完するためにワザとやってるんじゃないかと勘繰りたくもなります。ただ現状でもそれなり以上のレベルに達していると思いますし、欲しいときが買い時、というか早めに買っといた方が、今後の商品展開にリアルタイムで一喜一憂できて面白いんじゃないかと。
 そのアコギな商法さえもネタとして楽しめるという意味で、貴重な作品ではありますね。まさか自分が当事者になるとは夢にも思いませんでしたけど。

 

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