三極姫2
(暫定)

とりあえず魏ルートをクリア。支配地域が増える終盤の内政が超めんどくさい、という以外に穴らしい穴が見あたりません。基本的に前作「三極姫 」のリメイク版なので、前作プレイ済みの人の評価は分かれるかも知れませんが、新規のプレイヤーなら高確率で楽しめると思います。

メーカー

修正ファイル

発売日

プレイ時間

やってみて度

げーせん18
16.1MB
2012年7月27日
初回約25時間
A

シナリオ

  • 長い。メインのルートはそれほどでは無いが、各ヒロインとのサブイベントがかなり多いため。
  • メインシナリオはシリアスで、魏ルートは曹操が全土を統一するまで。前半は黄巾の乱や董卓討伐など概ね史実に沿って進み、統一が 進むにつれてオリジナルに。
  • ストーリー展開は王道だが、曹操の孤高さや、それを支える主人公含む配下の将達の奮闘、他勢力の思惑等がキッチリ描かれ、最後まで読ませる。ただし、ラストに前作にはないファンタジックな要素が入るのは、好みの分かれるところ。
  • 各ヒロインはサブイベントで攻略。こちらは適度にコメディや萌えが入り、進展も丁寧で恋愛美少女ゲームとしてもいい感じ。ただ戦いに明け暮れて恋を知らないヒロインが多く、主人公に惚れること自体に無理はないものの、展開がワンパターンになりがち。 特に新規追加キャラは、イベント数も少なく二番煎じ感がすごいのであまり期待しないように。
  • エロシーンは曹操の3回を筆頭に、各ヒロインに1〜2。純愛系として問題無く使えるレベル。なお私は違いますが、自分はもしかしてロリコンなのではとお悩みの方は、魏ルートは避けたほうが無難。二荀&郭嘉のジェットストリームアタックは防御不可です。
  • サンプルCGを見るに陵辱もあるらしいが、私は遭遇しなかった。
  • 魏ルートの前作からの追加変更は、終盤の展開が大きく変わったのと、曹操のイベント強化(前作の曹操は萌えた記憶がない)、典韋と許猪のイベント改変&追加、新キャラ追加、各キャラのエンディング(エピローグ)追加など。他の前作登場キャラは覚えてません。おおざっぱな感覚で言えば、質量あわせて1.5倍程度のパワーアップ。

音楽/ボイス

  • BGM鑑賞に登録されるのは22曲で、うちボーカル曲はオープニング、エンディングの2曲。基本前作からの流用だが、クオリティは高い。エロシーン用にもう1曲ほしかった。
  • ボイスは、主人公を除く全キャラフルボイス。男&モブキャラまでボイス付きな上、戦闘時ボイスもバリエーション豊富で文句なし。

CG

  • イベントCGはゲーム全体で、差分を含めず250枚超。これとは別に、各ヒロインに戦闘時の脱衣CGがあるのだから恐れ入る。
  • 質はバラツキはあるものの、概ね良好。前作で目立った、子供の落書きのようなエロCGはようやく無くなった。
  • 脱衣乳揺れCGはプレイ前は全く期待していなかったが、あれはいいものです。

システム

  • 一つの州からスタートし、徐々に支配地域を拡大していく地域制圧型SLG。内政で開墾、徴兵などして準備をし、1部隊最大6名の武将で他州の城に侵攻して戦闘となる。
  • 戦闘は独特なシステムで、それぞれに特徴のある8つの兵種を駆使して工夫して戦うのが非常に楽しい(ただ救護兵はボス戦以外は役立たずなので、実質7兵種)。自動戦闘も選べるが、余計なダメージを受けることもありほとんど使わなかった。
  • 一方で内政は、パラメータはシンプルで分かりやすいものの操作性に難があり、支配地域が増える後半はまともにやってられない。 が、やらなきゃ兵数が維持できず結果として時間がかかるので、イライラしながらプレイすることに。このゲーム最大の欠点。
  • 難易度は並で、前作プレイ済みの私はサクサク進む。ただこの手のSLGのお約束として、モタモタしてると他勢力が強くなりすぎてクリア不可になる、という恐怖は常にある。実際魏ルートのラスボス軍は、無駄にターンを回すほど強くなっていった。SLGが苦手な人は自己責任で。
  • 魏に続いて呉ルートを始めたが、引き継ぎ要素は無し。序盤の難易度は呉の方が高く、噂では蜀はもっと高いそうで、SLG初級者は魏ルートからのスタートがオススメ。
  • 魏のヒロインでは、許猪が攻略できなかった。典韋との排他かバグなのかは知らないが、同じルートを何周もするゲームではないので 要改善。
  • ADV部分の不満は特になし。どうでもよさそうなシーンも含め、ほぼ全てのADVパートが登録されるシーン鑑賞機能は素晴らし い。
  • プロテクトによるディスクチェックが長くてわずらわしい。3回に1回ぐらいにしてほしい。

この手のSLG型エロゲが好きならプレイして損は無し

前作プレイ済みの私は、序盤のシナリオが前作そのままだったので、「こりゃ失敗したかな」と思いましたが、杞憂に終わりました。翌日仕事があるにもかかわらず徹夜をしたのは、本当に久しぶりです(←バカ)。もともと前作のシナリオと戦闘システムは好みだったので、それらがより洗練された今作はとても楽しめました。もっとも、リメイク版でありながら2と銘打ち、高い値段で売るのですから、これぐらいはやってくれないと困りますけど(笑)。

戦闘が楽しめるエロゲでこれと同等かそれ以上のデキのゲームは、私がプレイしたものでは、ジャンルは違いますが バルドスカイぐらいしかありません。同じメーカーが先日発売した 決戦!乙女たちの戦場3 もかなりいいですが、三国志の魅力を上手く活かしたシナリオの面白さで、三極姫2に軍配が上がります。遊べるエロゲを求める方は、是非プレイしてみてください。

なお、本作は前作「三極姫」の内容を概ね内包しているため、前作をプレイする必要はありません。が、魏ルート真ヒロイン(超個人的)の典韋の最終イベントや、エロゲーマーの誰もがポルナレフ状態を体験できる呉ルートエンディングなど、いくつかの良シーンが改変されていたりもします。時間とお金に余裕のある人は、前作を先にプレイしてみるのも一興です。


 

あとは前作ユーザーとしてのちょっとした愚痴です。

メーカーには、安易にSLGシステムを複雑にして、プレイ時間の無駄な長期化を招くのはぜひ辞めてほしい。個人的に面倒だし、余計なお世話ですが初心者の新規獲得&つなぎ止めにもマイナスなんじゃないでしょうか。今回なら「控え兵」がそうで、確かに戦略性が増す利点もありましたが、終盤の内政の面倒くささでマイナス超過です。もっとひどいのは「逢瀬」。これを新要素とアピールするのは、詐欺とは言いませんが悪質な釣りです。これらのめんどくささは、内政値や進行度の一覧表示&ジャンプ機能を付けるだけでかなり改善されますし、そこから一括命令ができればさらによし。これらを実装しなかったのは、三極姫3での改善ポイントにでもするためでしょうか。この程度の作り込みなら、控え兵も逢瀬も無いほうがマシ。ユーザーの無責任な要望や、開発者の自己満足を単純に満たすだけなら、小学生でもできます。素性は良いシステムだけに、初心者を含め多くの人が楽しめて、ユーザーの裾野を広げてガンガン売れるシリー ズを目指して欲しいです。

ということで、勝手な想像ですが比較的楽に対応できそうな、後方で徴兵した兵を最前線の城に一発配置できるパッチよろしくお願いします!

感想のTopページに戻る