SHOGUN8(暫定)

とりあえず沙奈ルートをクリア。ちょっと小粒でパートボイス、しかもバグまで標準装備ですが、魅力的な多数のキャラとのコメディを、要所のシリアスをスパイスに楽しめる逸品。おすすめです。

メーカー

修正ファイル

発売日

プレイ時間

やってみて度

LiarSoft
あり
2007年3月23日
初回約7時間
A

シナリオ

  • ちょっと短め。ルートは序盤で沙奈とアニェスに大きく分岐するらしく、ENDはこの2つだけか。他のヒロインは選択式のサブイベントを複数こなしてエロ&ちょっといい話までは進行。
  • コメディ:ラブ:シリアスの比は6:3:1ぐらい。
  • コメディは知っていれば爆笑の時事ネタ等もあるが、オーソドックスなボケとツッコミが主体で、会話のノリさえ合えば全編楽しめる。
  • ラブは、沙奈は素直になれない幼なじみのツンデレで終盤にスパーク。前半の恋愛進展イベントが少ないのが悔やまれる。
  • サブヒロインは腹黒巫女や天然ニンジャ、無感情なアンドロイドなど基本ボケ役のクセ者ばかりだが、みな空気の読める良い娘ばかり。萌える。
  • 主人公は強く優しく大馬鹿で、その上ツッコミ役もOKでシリアスな恋愛や終盤の燃え展開も難なくこなす。加えて博愛主義のわりに根は沙奈一筋という、エロゲ主人公として申し分のない男。感情移入も問題なし。
  • 軸となるストーリーは、キャラ設定のイカレ具合とは反比例の王道っぷりで、新鮮さが無いかわりに安心して楽しめる。
  • エロは沙奈×2,ロタ×2、星丸×1、ナイチンゲール×1を確認。前戯の描写がねちっこく意外にエロいが、挿入後が総じて短めなのが惜しい。
  • コルネリアはラビエヌスにはもったいない。んだが、エロシーンはぜひとも欲しかった。「せ、先輩!そこは違います!!」「す、すまん、コルネリア君」「い、いえ、ちょっとビックリしただけですので……その…続けてください…」とかそういうの。作ってください。バグの詫びに修正ファイルで。

CG

  • イベントCGは差分を除いて51枚、って少な!。クオリティは絵買いでもある私には文句のつけようもない。手の描写がリアルなせいか、フェラやパイズリシーンが非常にエロい。
  • 立ち絵もすばらしくいいのだが、表情パターンが決定的に少ないのが難点。
  • その他背景や艦船なども、十分にスペースオペラしている。  

音楽/ボイス

  • BGMはボーカル2曲を含む15曲。少ないためか日常シーンで違和感を覚えることもあるが、クオリティは上々。エロシーンの「思慕飛揚」やクリステル専用の「銀河太平」が好み。
  • ボイスは女性のみパートボイス。ADV部は3割程度しかあたってなさそうだが、戦闘時が男性及び敵を含めフルで、かつバリエーション豊富なことで相殺。

システム

  • SLG部は、味方の必殺技が強力でサクサク進めるため、エロゲのそれとしては結果オーライ。戦闘時フルボイスなのでやる気が持続する。
  • ただ、色々とやれることが多い割には操作性、バランスともにイマイチで、かつバグもあり過度の期待は禁物。
  • 私が遭遇したバグは、報酬2倍のはずが1/2という些細なものから、ロタ1回目のエロシーンがブラックアウトという大きなものまで雑多。もっとも、サマーデイズにA判定を出す私にはどうということはない。
  • ADV部は機能的な不満は無いが、一見さんお断りのアイコンのデザインは、いい加減改善してくれ。
  • 音楽鑑賞のボーカル曲で、歌詞が表示されるのはいいですね。
  • 以上、全て修正ファイルを当てない状態でのコメント。当てると必殺技が弱体化するらしいので、SLG部はメンドくせえよ雰囲気が楽しめりゃいいや派は当てないのが吉。

同じ舞台・同じキャラでいつか続編作ってリベンジを

いやいや、前に同メーカーのサルバと〜れ!でツンデレキャラに文句を付けたのですが、バトルものということで性懲りもなく強気なヒロインを大量投入してきた模様。沙奈? ナイチンゲール? ラビエヌス(♂)? ハッ、どいつもこいつもテンプレートなツンデレで、こんな連中にツンデレ五段のこの私が釣られるとでも思ってるんでしょうか。舐められたものです。さらに銀河パトロールのマーシャ。これもどうせまた安易なツンデレ設定なんでしょうね〜、ってちょっと待て。なんでマーシャ出てこないのよ(in沙奈ルート)。オレがなぜ、報酬倍額とかの仕事を蹴って、銀パトの依頼ばっか受けて友好度あげまくったと思ってるんだよ。す・べ・て、あの頭の固そうなツンキャラのマーシャに、恥じらいながらオレのチンポ握らせたいからに決まってるだろうがっ!! 何だよ、アニェスルート限定かよ! わかったよ、やるよ、やればいいんだろアニェスルート! 彼女もちょっと腹黒いところがソソるしね、って、あ〜ダメだ駄目だ。ムリムリ。子供の頃から一途に尽くしてくれた沙奈を振るなんて、もってのほかですよ。ボクの中のソフ倫規定に反しますよ。パーフェクトに無理です。でもあれか、中盤で沙奈には吉宗かばって美しく死んでもらって、落ち込む吉宗にここぞとばかりにアニェスが、って展開なら……いける、いけるよママ! ってそんな外道なのは言語道断だろがっ!!!   とりあえず、沙奈LOVEのほとぼりがさめるまで封印しときます。2週間ほど。

 

というわけで、メーカーの黒歴史:バグ再発でケチがついてしまいましたが、個人的には非常に楽しめました。基本コメディなお話の終盤に違和感なくシリアスを絡ませるバランス感覚は、初期の傑作行殺☆新選組をホウフツとさせます。沙奈のラストなどは過剰なシリアスで終わらせず期待に応えてくれたし、ロタの話や星丸のHシーンも、既視感バリバリですが手堅く締める。エロもそこそこ。SLG部の完成度の低さだけが悔やまれます。
 同じような作品は二度と作らない、というのがこのメーカーの国是のようで、だからこそこういう怪作も生まれるのでしょうが、これはぜひとも続編をリリースしてリベンジしてもらいたい、そう思わせる作品でした。

とりあえず、「強襲看護母艦」「ウェスタン侍」「有馬彦左衛門VX」といった単語にピンとくる人は、メーカーHPに飛んでみましょう。紹介文だけでも楽しめると思います。次に体験版ですが、このメーカーのキャラは感情の起伏が激しい割には立ち絵の表情パターンが少ないため、ボイスが無い場合は合ってない立ち絵の表情に引っ張られて混乱します。キャラの性格をつかむまでは、立ち絵の表情は無視して文字だけを追うようにするといいです。気に入ったら突撃で。気に入らなくても突撃で。

 

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ちなみに余談ですが、沙奈がヒステリックに文句を言うボイスが、どうもクダけすぎというか、声優さん(かわしまりの)の地の喋り方が出てるようで不快感を覚える時がありました。憎い敵役へ叩きつけるセリフや、身内に対してでも赤裸々な心の叫びとかなら問題ないのですが、日常のツッコミでこれをやられるとムッときます。なんでこの人だけと思ったのですが、好きな声優さんなのでWebラジオ等の地のコメントを聴きまくってるのが影響したのかも。なんか複雑です。


 ところで、メーカーに一つだけ注文したいのは、SLGを付ける場合に、「終盤になって行き詰まり最初からやり直し」となりそうな恐怖をユーザーに与えないこと。ぼ〜ん・ふり〜くす(の体験版)もそうでしたけど、長い期間で一つの制限時間を設けられると、やり直しを避けたいこちらはどうしても慎重になってしまい、余裕を持って楽しめません。今回だったら、半年ごとに1500万ずつ返済させるとか、最低でも毎月一回「お忍び」は強制にする、とかしないと「お忍び」が初回プレイでなかなか選べず、結果として「何この薄いシナリオ」となります。途中から、とあるキャラの必殺技でほぼ無敵になると気づいたので、事なきを得ましたけどね。