行殺☆新選組

 ネタばれは、ほとんどないと思います。

 

メーカー 発売日 1プレイ時間 やってみて度

Liar Soft

2000年4月 2時間 S

 

< 初回版はバグの嵐 > 

 このゲームをこれからやってみようと思う方は、まずLiarSoftのHPでこのゲームの修正ファイルを入手してください。初回版は、メーカーの姿勢を疑いたくなるほどの激しいバグの嵐です。私はPCを新調したばかりだったのが幸いしたのか、大きな不具合はなかったんですが、それでも一部シナリオに進めないバグはあり、無駄な時間を費やしました。

 いきなり最大の欠点から書き始めてしまいましたが、私はバグに関して不満はほとんど感じませんでした。それ以上にゲームを面白く感じたからです。あばたもえくぼというのでしょうか.......。実は、このゲームは発売前からHPをチェックしていて、オープニングに驚嘆し、キャラ人気投票の経過に一喜一憂していたものですから。感想、かなりひいきめです。でも、みなさんにもやってみてほしいです。

 幹部クラスが女性ばかりの新選組に入隊した主人公の、楽しくもはかないストーリーが体験できます。

< 史上最強のオープニング >

 まずこのゲーム、オープニングが史上最強(凶?!)です。いやいやだめです、製品版CDに含まれるオープニングをそのまま見ては。あれは仮の姿です。行殺☆新選組デモディスクに含まれる高画質版(aviで160MB以上!)に差し替え、Penitum3の600MHz、メモリ128MB以上で、画面の解像度を640×480にして見てください。息をのむほどのすばらしいオープニングになります。あの歌い方を指示した人のセンスには脱帽です。私は発売前にメーカーサイトからダウンロードし、これは絶対面白いゲーム(というか私好みのゲーム)になると確信しました。
 次作の「ブルマー2000」のオープニングもかなりイッてしまっていますが、こちらの方が私には強烈でした。

< ドタバタコメディ+哀愁漂うストーリー>

 主人公が入隊する新撰組には、6人のヒロインがいます。近藤、土方、沖田、原田、永倉、芹沢と、みな女性です。この6人とドタバタラブコメを演じながら、池田屋突入+αまでの幕末時代劇が進んでいきます。
 ゲームの雰囲気を知るには、LiarSoftのHPに飛んでみて下さい。ソフトの紹介が充実しており、たっぷり30分は楽しめます。ここで気に入れば、即購入でOKだと思います。 
 なんだ単なる馬鹿ゲーか、と思った方、その認識は実際にプレイしてみると、いい意味で裏切られると思います。ぶっ飛んだキャラ設定に比べて、ストーリーは意外にも史実に沿った?展開を見せます。メインシナリオは、主人公が新撰組に入隊してから池田屋襲撃までなのですが、後日談はその先まであります。そのため、新撰組の悲しい行く末を見せられることもあり、かなりせつなく?なります。その証拠に、エンディングに流れる曲は、オープニングからは想像できないような物悲しい曲調になっています。
 このシリアスな展開がしっかりしていると感じたため、単なるお笑いパロディではない魅力をこのゲームから得られたのだと思います。
 ただちょっと残念だったのは、一つのシナリオが2時間程度と小粒なことです。そのため、それ以上の長さの18禁ゲームに慣れていた私には、ちょっと展開が急すぎると感じるところが多々ありました。でもそのおかげで、繰り返しプレイが気軽に楽しめたりするのですが。

 ところでこのゲーム、いくつかのジャンルの4択クイズも楽しめます。正直、マニアックすぎるジャンルが多いとは思いましたけど。私は新撰組系のジャンルにはまり、キバヤシ堂「○MRに報告だ!」の設定に大笑いしました。

< CGもなかなか >

 イベントCGの数は、シナリオが比較的短いこともあり、そんなに多くはありません。でも丁寧に描かれていて、首をかしげたくなるようなCGは少なかったと思います。哀愁漂うCGも結構あります。私は原田シナリオの最後のCGがかなり好きですね。

< 意外にも、音楽がいい >

 なぜこんな弱小ソフトハウスのキワモノ(と購入前は思っていた)ゲームに、こんな素晴らしい音楽が、と驚きを禁じえないほど、聞かせるBGMが続きます。ストーリー展開に続く、2つめの嬉しい誤算でした。ゲーム業界では比較的有名な人が作曲をされたそうなのですが、コミカルな曲からしんみりする曲まで、粒ぞろいだと感じました。私は、一番聞いている時間が長かった「千年王城に陽はまた昇る」が好きでした。
 もちろん、オープニングは別格です。

 

 以上、私はこういうコメディは大好きなので、べた褒めになってしまいました。マニュアルのキャラ紹介や、BGM鑑賞時のレトロなCGなど随所にこだわりを見せており、メーカーもかなり力を入れたのではないかと思います(バグとり以外)。それに音楽が良いゲームは、それだけで買ってよかったという気にもなります。

 笑えるゲームを探している人や、新撰組が結構好きだという方には、お勧めのゲームです。

 

 

 

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