レーベンスエンデ |
記憶喪失の主人公&半人半妖?のヒロイン:アーデルハイトの戦いを描いた低価格ADV。ボリュームは価格なり(約3,000円)ですが、魅力的なヒロインとの濃厚エロと、切な系のエンディングが楽しめます。この手の伝奇モノ好きや、ツンデレ好きにオススメ。 |
メーカー |
修正ファイル |
発売日 |
プレイ時間 |
やってみて度 |
Lyric |
- |
2006年3月24日 |
total約6時間 |
A |
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記憶喪失で常識が多少欠けた主人公:十河(そごう)保と、邪悪を斬る霊剣ツンデレヒロイン:アーデルハイト(アデーレ)、母性本能爆発の年上ヒロイン:十河縁(ゆかり)の3人が繰り広げる、シリアスでエロくて、ちょっと笑える伝奇ADV。基本的に1本道で、攻略ヒロインは残念ながらアデーレのみとなっています。
魅力的なヒロインとのエロがメインで、それに骨太なストーリーが付いてくるシナリオです。私はアデーレがクリティカルヒットしたこともあり、かなり楽しませてもらいました。
しょっぱなに出てくる縁は、エロゲではあまり見かけないタイプの快活なお姉さん。彼女が主人公でも問題ないほどキャラが立っており、記憶喪失の主人公に母性本能発揮で、優しく手ほどきしながら逆に絶倫主人公にイかされまくるという辺りが猛烈にエロいです。
アデーレは「か、勘違いしないでよ!」などというお決まりのセリフも飛び出す典型的ツンデレキャラですが、メインヒロインに相応しい重たい設定を背負っており、それ故に切なさ炸裂のラストエロは抜かずにはおれません。
千は見たまんまです。幼児体型でありながらの奉仕属性。危険です。
ストーリーの方はボリュームが少ないことが災いし、説明不足で首をかしげたくなる展開も散見されますが、こちらもなかなか。霊剣アデーレの力の源である化け物達(エレメント)がアデーレから飛び出してしまい、それを主人公と協力して回収していくのがメインとなるわけですが、設定に(大きな)綻びはなく、戦闘シーンも主人公チームがキッチリ強いこともありストレス無く燃えます。ラストが完全なハッピーといかないのが残念ですが、ちょっと泣かせる展開で、エピローグも1種類だけですが爽やかなものです。
ただし低価格なこともあり、スケールは小さいまま終わってしまいます。大好きだったスポーツ漫画が、学内の実力者(主に不良)を束ねてさあ俺たちの戦いはこれ(以下略 ってところで唐突に打ち切られたときの悲しさ。実際はきちんと伏線は消化して終わってるんですが、フルトヴェングラーを始めエレメント達のキャラも立っていただけに、もっと壮大なお話にしてくれてもよかったんですけどね。
イベントCGは差分を除いて26枚。うち半分がHCGです。
少ないですがシナリオも短いですし、差分&立ち絵CGはそれなりに充実しているため、あまり気になりません。質は比較的安定していますが、肌がテカる・頬を染める時に赤くしすぎる、な塗りは好みのわかれるところ(私は苦手)。また戦闘時やエロシーンで頻繁に入るカットインCGは、イベントCGの少なさを補ってあまりある効果を出していたと思います。
Hシーンはアデーレが3回で、縁と千が2回ずつ。少なめですが、絶倫主人公による連戦仕様がデフォなため、価格を考えれば質・量ともに高レベルです。
ここで特筆すべきはアデーレ。3回が3様のエロを見せてくれます。1回目のシーンはどう見ても強姦。ごく普通の成人男性なら、主人公のあまりにナチュラルな鬼畜っぷりに萎えることでしょう。しかし、強気なアデーレがさめざめと泣くのを見て獣欲を刺激されるのもまた、健全な成人男性として当然のことです。
2回目はまだデレてはいませんが、状況的に仕方なくH。1回目とうってかわって優しい愛撫をする主人公に、ヨロめくサマが可愛い。ヤクザ的にアメとムチを使い分ける主人公の手口は大変勉強になります。
最後はラストバトル直前。ほとんどデレてるんですが、とある理由により素直にそれを出すことは許されないという、切なく燃えるHです。デートシーン等は無いんですが、これだけやってくれればプレイヤーがアデーレに惚れるのも無理からぬこと。縁さんすいません。
BGMは11曲で、ボーカル曲はありません。 曲数は少ないですし、1曲1曲が短いので物足りないのですが、それでもこれらのBGMがゲーム全体のクオリティを向上させているのは疑いありません。私が特に好きなのは、日常シーンの「普通基準」、戦闘シーンでかかる「求める心は止まらない」「刹那」などです。ボーカル曲が無いのは価格を考えれば仕方の無いところですが、エンディングテーマはそれなりに聴けます。
ボイスは主要3ヒロインのみフルボイス。メインのアデーレは戦闘シーンで若干違和感があるものの、概ね問題なしです。フルトヴェングラーを筆頭に脇キャラに声がないのは残念ですが、これも価格なりということでしょうか。効果音も(軽めの音ですが)剣戟シーンを盛り上げます。
システムは、コンフィグ画面の項目数も少ないシンプルなものですが、ADVとしての基本的な機能は抑えてあり、大きな問題はなかったです。BGMから背景まで何もかもが巻き戻る読み返し機能は、便利に使わせてもらいました。
唯一の不満は、BGM鑑賞でリピート再生がされないこと。文字通りBGM的な利用をしたいと思っても、曲自体が短いこともあり頻繁に再生ボタンを押しにいかなければなりません(要するに使い物にならない)。仕方がないので、各曲が流れている部分でセーブをしておき、それをロードしてバックグラウンドで再生させてました。曲がいいだけに気になります。あとリプレイ中の不都合としては、オートリードからスキップに一発で移行できないこと。こういう使い方をする人はあまりいないと思いますけどね。各種画面ボタンの文字の小ささも要改善。
私が購入したのは、こちらから購入できるダウンロード版。起動時にネット経由のアクチベーションが必要で、インストールできるPCは3台まで。ファイル容量は350MB程度で、irvineなどのツールを利用してダウンロードすることも可能です。店頭で購入できない人はこちらを。メールアドレスはフリーメールなどで別途用意しておくと、スパムメールの増加に悩まされることもないでしょう。
プレイ後の感想は、「もったいない」の一言に尽きます。価格を考えれば十分満足できたのですが、世界観やキャラクターの魅力の高さなどは、通常のエロゲ価格でキッチリつくっても全く問題ないレベル。それが低価格のため短く、ダイジェスト版のようになってしまったのが惜しい。設定をちょっとイジればもっとスケールの大きな話にもできたでしょうし、縁も非攻略であることが信じられないぐらい良いキャラです。続編、というより、2〜3年以内に大ボリュームでリメイクしてくれると嬉しいんですけどね。美しい思い出はそのままにしておいた方がいい気もしますけど。
メーカーHPの紹介では、ヒロインの魅力がサッパリ伝わってこないため(縁なんてただの淫乱オバサンにしか見えない)、この手の伝奇物が好きな人は、とりあえず体験版をプレイしてみるのがオススメ。体験版では全然デレてくれませんが、ツンデレ好きにはアデーレもオススメです。
また3月24日は、同様に伝奇モノの大型タイトル:ロストチャイルドや、エーテルの砂時計が発売されます。これらが外れてしまった時の抑えとして、予算をちょっと上乗せして購入しておくのもよいかも。少なくともエロ分は補充できると思います。ただしうっかりこちらを先にやると、本命ソフトのエロが物足りなくなるかも知れないので注意。
以下、若干のネタバレありの小言です。
上でシナリオが説明不足と書きましたが、その最たるものが、「エレメントがアデーレに戻った後にどうなるか」、より具体的には、「アデーレの意志で出し入れできるのか」が明確でなかったことです。結局は「できない」ということなのでしょうが、ハッキリ書いてくれないので、こちらはついつい期待してしまいます。そのためアデーレとの最後のHでも、今ひとつ感動し切れませんでした。彼女の覚悟も、千とのラストバトル中ではなくHの直前に明らかにしておけば、より盛り上がったのではと思います。
ちなみに発売前の私の希望は、「千によるダメージの結果、エレメントが出し入れできるようになっちゃってた」です。それで第3の強力な敵(古のフォリナー)が出てきて、また分離させることを条件にフルトヴェングラーと共闘→融合&スーパーパワーで敵粉砕(BGMはもちろん「刹那」で)→大団円&続編へ‥、ってな展開にしてくれれば、HAPPYEND好きの私には至高の作品になったんですけどね。現状のしんみりとした終わり方も悪くないのですが、こういうルートも選択できるとよかったと思います。