18禁ゲームを楽しむための

おすすめ液晶ディスプレイ 2001.8.31 記

  

 液晶ディスプレイの購入を検討している方に、ぜひ選択肢の一つとして加えて欲しいのが、NANAOのFlexscan L365(15インチ、1024×768)です。高輝度パネル及びDVI入力を採用し、他の製品とは一線を画した(と思われる)美しい表示が手頃な価格で得られます。
 特に、18禁ゲームをフルスクリーン表示で楽しむ液晶ディスプレイとして勧められると感じたので、このHPで紹介したいと思います。

NANAO製15インチ液晶(1024×768)ディスプレイ Flexscan L365
主な特徴
高輝度 300cd/cm2(通常は200〜250)
高コントラスト 1:450 (通常は1:300〜1:350程度)
色再現性が16%向上(当社比)
デジタル/アナログ2系統入力
スピーカーが付いたスリムな本体
市場価格 6万5千円前後(2001年8月現在)

< 高い色再現性と輝度で低解像度CGのフルスクリーン表示もOK >

 18禁ゲームをこよなく愛する人がモニタを買い換える際に、液晶ディスプレイを選ぶことをためらう最大の理由は、640×480などの低解像度CGを拡大表示すると、寝ぼけて色褪せたように表示されてしまうことではないでしょうか。一般的に液晶ディスプレイは、決められた解像度(15インチなら1024×768が多い)以外では、あのシャープな画質を維持できません。そのため、18禁ゲームで標準的な640×480のCGをフルスクリーンで表示させると、CRTディスプレイと比較してかなり見劣りしてしまいます。かといって、例えば15インチで1024×768の画面設定で、640×480のウィンドウ表示では小さすぎます。他の用途ではほとんど問題にならないのに18禁ゲームをやるときだけは苦しく、悩ましいところでした。

 しかしL365では、輝度を通常使用より高く設定することにより、CRTにかなり近い画質で表示することができました。テキストは若干ボケが残りますが、CGは私的に十分許容範囲内で、CRTを隣に置いて見比べないと差を感じないぐらいです。このときの液晶ディスプレイの設定は、コントラスト100%、輝度70%ぐらいでした。L365の輝度とコントラストは、ともに一般的な液晶ディスプレイより高く、さらに色再現性も向上しているということで、このクオリティが得られた可能性があります。
 といっても、他メーカーの最新液晶と同条件で比較したわけではないので、より低価格で売られている製品でもこれに近い画質が得られることも十分考えられます。あくまでL365単独の絶対評価で、CRTと比べて遜色のない低解像度CGのフルスクリーン表示ができる、ということでお願いします。

 余談になりますが、高輝度の恩恵でDVD映像の発色も一般的なパソコン用モニタとは比較になりません。ほとんど民生用プレーヤー+テレビと同じ感覚で楽しめます(こちらの方が重要か?)。

< デジタル接続で、よりシャープな画質を実現 >

 L365には、映像入力端子として通常のアナログD-sub15ピンに加え、デジタル入力のためのDVI端子が装備されています。私のパソコンのビデオカード(ATI RADEON VE)は両方の同時出力が可能なため、まったく同じ画面を切り替えて比較したところ、DVI端子を利用したデジタル接続の方がキレの良い(文字表示がクッキリハッキリした)表示が得られました。劇的というほどではありませんが、それでも一度デジタル接続のシャープさを体験すると戻れません。自作派の方は液晶ディスプレイ購入と同時に、最近増えてきたDVI出力付ビデオカードへのアップグレードをお勧めします(ATI RADEON VEやMatrox G550、各種GeForce系カードなど)。L365の場合はアナログもOKの2系統入力なので、当面はアナログ、いつかはデジタルということも可能です。

 デジタル接続がシャープな表示になるのは、もともと液晶ディスプレイはCRTと異なり画像データをデジタルで受け取って表示するため、データをほとんど劣化することなしにディスプレイに転送し、表示することができるからです。しかし現在、デスクトップパソコン側の画像出力はほぼ100%、CRTにあわせたアナログ出力になっています。それを受けて液晶ディスプレイ側も、アナログ入力のみの場合がほとんど。本来ならデジタルで一発転送できるものを、わざわざ信号が劣化しやすいアナログに変換しているわけで、良く考えればアホらしい話です。デジタル出力→デジタル入力こそ、液晶ディスプレイの能力を最大限発揮できる接続方式です。
 ところでノートパソコンの液晶の場合は、基本的に内部デジタル接続なので画質的に有利なのですが、消費電力や本体の厚さの制限があるため高輝度・高コントラスト化には不利です(据え置き利用が前提の巨艦モデルは別かもしれませんが)。デスクトップにおけるデジタル接続及び高輝度・高コントラストでの利用が、現在画質的に最も満足のいく液晶の使い方だと思います。

< 素早い動画はまだ苦手 >

 液晶ディスプレイの弱点の一つ、素早い動画を表示したときに画像が若干ブレるという現象は、L365でも解決されていません。応答速度は26msと比較的速い部類に入るのですが、DVDの動画を液晶ディスプレイと普通のテレビで見比べると、シーンによってはやはり違いを感じます。日本のテレビの表示形式(NTSC)における切り替え速度は16.7ms。これに近い応答速度が得られるようメーカー各社にはがんばってほしいです。

< 高輝度&デジタル接続がキーワード >

 長々と書いてきましたが、つまりは今回L365を買ったことで、液晶の高画質化には高輝度(コントラスト)及びデジタル接続がとても重要なんだなあ、と感じた次第です。とはいってもきちんと比較したわけではないので、他の機種が実際にどうなのかはわかりません。輝度等のスペックがL365と同等でも画質はイマイチとか、あるいはその逆もあるかと思います。
 だけど少なくとも、18禁ゲームをフルスクリーン表示でやろうと考えている人には、このL365であればCRTに近い感覚でプレイできると思います。15インチ液晶ディスプレイの中では6万5千円前後と高価な部類に入り、あと1〜2万円出せば安価な16〜17インチが買えてしまいます(2001年8月現在)が、画質重視の方にはお勧めです。DVD鑑賞もOKです。
 ただ一つ、高輝度パネルを採用するなら、輝度の一発調整ボタンは欲しかったです。通常利用では輝度は低く設定しますからね。ユーザーの使い勝手より画質を優先するあたりは、NANAOらしいといえばらしいんでしょうか。

(注:もし机上のスペースに余裕があり、画質重視でいくのなら、液晶よりCRTを選んだ方がいいでしょう。発色の良さや応答性の高さ、解像度変更の柔軟性など画質関係のほぼ全ての分野で、CRTは液晶を上回ります。特に最近出回ってきた高輝度タイプのCRTならば、L365以上にDVDやテレビ画像を良好な画質で楽しむことができると思います)

 

 

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